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連載:女性客が行列を作る治療院の作り方

白金鍼灸SalonFium・折橋梢恵ロングインタビュー(2)
カテゴリ: 経営

トワテック リサーチ

高級住宅が立ち並ぶ白金台にある「白金鍼灸 salon fium」。ここで代表を務める折橋梢恵さんは、「美容鍼灸師」という肩書きを初めて名乗った人。鍼灸に「美容」という要素を取り入れ、日々その世界を探求し続けています。そんな折橋さんに女性が抱いている鍼灸に対するイメージと折橋さんの代名詞のひとつである美髪鍼誕生秘話をうかがいました。

 

 

──「白金鍼灸 salon fium」に来るお客様は、健康や美容への意識が高い方が多いと思うのですが、鍼を受けるのが初めてという方もいるのでしょうか?

 

折橋 はい、多いですね。最近、鍼灸は効果の高い施術法という認識も広まっていますが、それでもまだ「痛そう」「怖い」というイメージを持っていらっしゃる方が大半です。そのため、初めて鍼を受ける方には、必ず最初のカウンセリング時に、実際に使用する鍼を見ていただきます。「美身鍼」で使っているセイリンの鍼を出して「一本一本滅菌された鍼が個包装されているので、衛生的に安心していただけますよ」と伝え、次に、鍼を触っていただくと「こんなに細くてやわらかいんですね!」とみなさん驚かれます。鍼というとどうしても、縫い針や注射針を想像される方が多いので、実際の鍼の細さを目の当たりにすると安心してくださいます。また、「初めて受けた方は、思ったより痛くないとおっしゃる方ばかりですよ」と、他のお客様の感想をお伝えしています。お客様の鍼に対する固定概念を払拭し、安心して施術を受けていただくことを第一に考えています。

 

──折橋先生は、鍼灸の技術による頭皮ケアにエステなどで用いられるヘッドマッサージをプラスした「美髪鍼」を考案され、美容業界から注目を集めています。美髪鍼を考案されたきっかけを教えていただけますか?

 

折橋 実は、「美髪鍼」は美容師さんとのコラボレーションで生まれました。7年ほど前に、肩こりや腱鞘炎で悩んでいらっしゃる美容師さんに施術するため、茨城までうかがっていたのですが、その方が「せっかくなので」と美容院のお客様にもお声がけしてくださったんです。それで月に1〜2回、体の不調に対する施術を行っていたのですが、あるとき美容師さんから、お客様の白髪が減った、髪が太くなったという報告を受けました。定期的にお客様の髪を見ている美容師さんだからこそ、変化に気づいてくださったんだと思います。そこで、その方のアドバイスもいただきながら、「美髪鍼」という技術を構築しました。当時は髪に特化した鍼灸はありませんでしたが、いまインターネットで検索してみると数十件くらい見つかるので、徐々に浸透してきているのかなと感じています。

 

──美容やダイエットなど、女性の幅広いニーズに鍼灸業界ももっとアプローチできるのでしょうか?

 

折橋 はい、できると思います。もともと、鍼灸には昔から円形脱毛症の治療がありました。その技術をブラッシュアップし、現代の女性に向けてアプローチの仕方を変えたのが「美髪鍼」です。私は伝統の有り方には、「昔からある形をそのまま残すこと」と「時代に合わせてより良いモノへ発展していくこと」の2通りがあると考えています。今までは前者の考え方を持っている鍼灸師の方が多かったように感じています。もちろん、伝統をそのまま残すことも大切です。しかし、近年の情報社会化によって、時代の流れは大きく変わり、人々が求めるものも絶えず変化しています。そんな中で、鍼灸師も時代に合わせた施術をする必要があるはずです。特に、女性は社会に進出するようになって、美容や健康においても、意識の高い方が増えていますので。美肌だけでなく、バストアップやダイエットなどにもアプローチできる「総合美容鍼灸」をもっとうたっていきたいですね。

 

──近頃、スキンケア用品や健康食品などを販売する鍼灸院も増えてきました。こういった院内販売をいかに上手に行うかも、鍼灸院にとって今後の課題になると思いますが、折橋さんはどのようにお考えですか?

 

折橋 鍼灸師さんの中には、「鍼灸院は施術を行う場所であって、物を売る場所ではない」という考えを持った人が多いと思います。でも、販売によって得られるプラスαの収入は、治療院を長く続けていくうえで、すごく貴重だと思うんです。それに、お客様の健康にとって本当に必要な商品であれば、それをおすすめするというのは自然なこと。当サロンでは、院内販売をしている漢方茶をカウンセリングの際にお出ししています。「今日は花粉症対策のためのお茶です」と簡単にご紹介すると興味を持ってくださる方もいるので、すると自然な流れで購入につながります。メイク落としの際に使うクレンジング料や、ツボを刺激する接触テープの「パイオネックス・ゼロ」など、実際に施術で使ったものはお客様も興味を持ってくださることが多いですね。

 

プロフィール

写真 折橋梢恵
富山県出身。浜松の大学を卒業後に専門学校浜松医療学院に入学、はり師・きゅう 師の国家資格を取得。その後東京衛生学園専門学校 東洋医療臨床教育専攻科に進学、厚生労働省認定の鍼師・灸師の教員資格を取得。同校を卒業後、美容整体アカデミー講師や、信州医療福祉専門学校非常勤講師を務める傍ら、表参道にあるセラ治療院にて勤務。セラ治療院院長の町田久氏を師事し分子栄養学と美容鍼の技術を継承する。美容鍼灸の技術を構築しながら東洋医学に基づいた各種セミナー活動、他業種とのコラボレーション、親子スキンタッチ会などの活動も精力的に行う。 2010年、美容鍼灸の会「美真会」を設立。同会の会長として美容鍼灸師の育成のための美容鍼灸師養成講座の講師、小勉強会、講座、セミナー等の企画も担当。また鍼灸業界で、美容鍼灸を第一線で取り入れている鍼灸師を集めて行う美容鍼灸フェスタなど幅広い活動を行い鍼灸の普及活動につとめる。著書に『新しい美容鍼灸 美身鍼 』『新しい美容鍼灸 美髪鍼』など。
写真 美容鍼灸の会
美容鍼灸の会「美真会」(http://www.bishinkai.com/)は、鍼灸治療と美容鍼灸の普及活動を目的に2010年に設立した団体です。美真会では、会長の折橋梢恵が行う美顔を目的とした「美身鍼」を中心に、美肌、美髪など様々な美容の悩みに対してアプローチを行える総合美容鍼灸の確立を目指しています。また、本来鍼灸が担うべき女性に多い疾患などに特化した鍼灸治療にも力を入れ、時代に合わせた鍼灸師や美容鍼灸師を育成し、一流の鍼灸師が集う日本一の美容鍼灸の会を目指しています。また、一般を対象にした教室や講座、イベントなど様々な活動を通じ、世間が抱いている鍼灸に対するマイナス的なイメージを払拭し、地域と密着して認知度の向上に努め、更には、全国的な鍼灸受診率の増加につながるような活動を積極的に取り組んでいきたいと考えています。
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