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連載:辻亮先生のゼロからスタートするためのPNF講座

第3回 治療院で活かせるTsuji式PNFテクニック(1)
カテゴリ: コラム

トワテック リサーチ

肩こり、肩関節に関連する可動域制限・疼痛の改善

 

 

今回からは具体的に治療院の現場で活かせるTsuji式PNFテクニックをご紹介させて頂きます。

 

日頃、先生方が施術している手技に組合せて活用できる本テクニックは非常に即効性もあり、どなたでも習得できることから再現性の高い内容となっております。

 

シンプルでありながら、今までにない特徴的なアプローチ法でぜひクライアントの症状改善にご活用ください。

 

さて、今回のテーマは「肩関節」です。現場においても日々この関連の症状を訴えてくる方は多いかと思います。

 

なぜなら、生活水準が高まり、仕事のスタイルも動きの全くないデスクワークが中心になることで、現代では肩関節の可動域をフルに可動させなくなってきている状況です。

 

実際にヒトの肩関節は大きくわけて、①挙上(180°)、②伸展(50°)、③外転(180°)、④内転(0°)、⑤外旋(60°)、⑥内旋(60°)を単体、または複合して動かすことができます。(水平外転・内転など一部省略。)

 

しかし、日常生活の中でこの範囲で動かす機会はもはや皆無に等しいでしょう。

 

機械でも使わないと錆び付いてきて、無理矢理動かすと故障の原因になります。関節も同じく、使わないと錆び付いて動きにくになり、それを無理矢理動かそうとすると障害が生じます。

 

また、関係する周囲の関節や筋肉も同じく動きにくくなり、肩こりなどの症状も発生してきます。

 

Tsuji式PNFテクニックはゆっくりとそれを動かす回路(神経)からメンテナンスを行ない、潤滑油を差し込んでいくような感覚と比喩できます。

 

可動域制限、疼痛のある方向を見極める

 

詳細な理論をここですべて説明することはできませんが、簡単な考え方としてクライアントの可動域制限や疼痛のある方向や角度を知ることで、Tsuji式PNFテクニックのアプローチの内容は決定していきます。

 

例えば、肩関節の挙上を行なった時に本来なら180°まであがるのが通常のところ、120°のポイントで痛みが生じて、それ以上挙げる事ができないという場合において。

 

おそらく、120°のポイントから元のニュートラルな位置(0°)まで戻すという動きには痛みはあまり感じないケースが多いのです。また、そこからの伸展にもスムーズに動くケースが多く見受けられます。

 

このような特性を活用して、Tsuji式PNFテクニックでは「可動域制限がある方(または痛いがある方)から、可動域制限がない方(痛みのない方)の可動域限界までをひとつのパターンとして動かしていきます。

 

そうすることで挙上をブロックしている一つの要素である拮抗筋である上腕三頭筋を一旦、主働筋にして運動をさせることで筋肉と神経のつながりを強めることで血行が促進されます。

 

よって、肩関節の挙上という動作において、拮抗筋の上腕三頭筋が柔らかくなり、その次に展開する挙上の動作をスムーズにさせてくれます。

 

そこから、本来の目的であった挙上の動作へ移ることで、動きやすくなった(拮抗筋が伸びやすくなった)状態からの運動の向上が自覚できるようになります。

 

全てのクライアントに当てはまらないかもしれませんが、可動域制限がかかっている状態をリリースするためにこの手法は大変効果的です。

 

また、肩関節ではアウターマッスルのみならず、インナーマッスル系を動員する肩関節の内旋、外旋の動作を伸展と挙上(屈曲)の前に入れておくことでさらにスムーズな改善を出す事が可能になります。

 

 Tsuji式PNFテクニックの施術ポイント

 

今回ご紹介したアプローチ方法をお試しになるために、いくつか施術のポイントをお伝えしておきます。以下のことに注意しながら施術を行なうとしっかりと効果を出せると考えます。

 

1:クライアントの最大可動域で施術する。

 

2:誘導はじめのファーストタッチはクライアントの可動域を若干オーバーするようにプッシュして、反動も使いながら誘導方向へ導く。

 

3:ファーストタッチのみ初動負荷がかかり、後はクライアントの皮膚に密着しているだけで抵抗はほぼ与えない。

 

4:タッチだけでなく口頭指示で合図や誘導をしていくとクライアントは分かりやすくなる。

 

5:施術者はあくまでも誘導のみで、クライアント自身で運動はしてもらう。

 

6:ひとつの動作に対して10回を目安に行なって、最終回には誘導していった方向の最大可動域の位置で10秒間ホールドしてもらう。(回数、秒数は目安です。)

 

7:ビフォー&アフターのチェックをしておくと改善効果を計測でき、クライアントにも理解を得やすい。

 

以上のことを考慮しながらアプローチにあたってみて下さい。

 

図解説明

 

①肩関節伸展-Tsuji式PNFテクニック

肩関節の挙上に制限がある場合は、まずは挙上から伸展方向へPNFテクニックで動作を誘導する。 肩関節挙上の拮抗筋であった「上腕三頭筋」を主働筋にし、この動作を10回ほど繰り返す。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

②肩関節挙上(屈曲)-Tsuji式PNFテクニック

 

 

 

伸展方向への運動が終われば、逆に伸展位から挙上方向へ誘導をチェンジする。 肩関節の挙上の最大可動域まで運動を誘導し、本来改善したかった方へ同じく10回程度繰り返えす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

③肩関節内旋-Tsuji式PNFテクニック

 

 

体側に上肢をつけて肘を90°にして小指側へタッチを入れて内旋の運動を導く。 肩関節の挙上の最大可動域まで運動を誘導し、本来改善したかった方へ同じく10回程度繰り返えす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

④肩関節外旋-Tsuji式PNFテクニック

 

 

内旋位から親指側へ誘導をチェンジして外旋方向へ誘導します。 外旋を後にすることで胸郭が開いた状態で終了するので姿勢のメカニズムからも有効性が高くなります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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プロフィール

写真 辻亮
1976年生まれ。龍谷大学経営学部卒業後、経営コンサルタント会社に入社。仕事のかたわらスポーツトレーナーとして活動、後に総合リハビリテーション科に勤務。スポーツ&リハビリトレーナーとしての活動を通して辻式PNF等のオリジナルメソッドを開発し、2003年大阪淀屋橋にUP+CONDITIONを設立。現在500店舗以上の整体院、サロンの運営・技術支援に携わりながら、 直営店舗・日本PNFテクニック協会(JPTA)の代表を兼任。 著書に『となりの「治療院」が儲かっている本当の理由』(ぱる出版) 『クリスタルジュエリーダイエット』(長崎出版) 『Tsuji式PNFテクニック入門』(BAB出版)など。最新作セルフケアDVD『Tsuji式PNFホームケア入門』がBAB出版より絶賛発売中!
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