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平井晴子~女子7人制ラグビー日本代表とオリンピックを目指す! 前編~
カテゴリ: インタビュー

トワテック リサーチ
 

2016年のリオ・デジャネイロ大会から正式競技となる7人制ラグビー、セブンズは、15人制ラグビーと同じサイズのグラウンドで、試合は7分ハーフ(大会の決勝戦は10分ハーフ)で行われる。

IRB(国際ラグビーボード)が主催するワールドカップセブンズや、IRB女子セブンズワールドシリーズなどの国際大会は、2日間で実施され、16または12の参加チームがそれぞれ1日に最大3試合を行う、体力的にも厳しい競技となっている。

女子7人制日本代表、通称「サクラセブンズ」は、2013年11月にインドで開催されたアジア女子セブンズシリーズ「インドセブンズ」で優勝。2014年9月又は10月に開催される、2014—2015シーズンのIRB女子セブンズワールドシリーズの各大会で参加する12チームのうち全大会に出場できる「コアチーム11チーム」入りを賭けた昇格決定戦への出場を決めた。

コアチームへの昇格は、世界の強豪と定期的に試合をすることができ、強化にもつながる重要な目標だ。未だ未確定なオリンピック出場国の選定過程を考えても、世界のトップ11に入っておくことは日本の存在感をアピールする上でも必要な条件といえる。

そんなサクラセブンズの一員として、選手とともに戦う女性トレーナーがいる。

 

きっかけは「浅倉南」。憧れから始まったトレーナーへの道

 

 

サクラセブンズのトレーナー、平井晴子の原点は、高校時代にアメリカンフットボール部のマネージャーとして選手をサポートしたことにある。

 

「『タッチ』の南ちゃんに憧れて、選手を支える立場で何かスポーツに関われないかなと思ったのがきっかけです。アメフト部は、女子スタッフが少ない中ですごく忙しそうにしていて、自分がやりたいのはこういうことだなと感じて入部しました。でも、高校にはチームドクターもいないし、スーパーバイズしてくれる人もいないので、怪我がおきたときに自分では何もできないことが苦しかった。マネージャー全員で勉強して、大学の付属校だったので、大学のアスレティックトレーナーの方の現場を見学したりする中でトレーナーという仕事の大事さを痛感しました」

 

立命館大学のアメリカンフットボール部でも学生トレーナーとして4年間を過ごし、本格的にトレーナーの道を進もうと心を決めた。大学のヘッドアスレティックトレーナーがアメリカで学んでいたこともあり、自身もアメリカでトレーナーとして学ぼうと考えた。

 

しかし、卒業後は一度製薬会社へと就職し、営業担当として社会人生活を送っている。

 

「すぐに留学して、学生を続けるよりも一度社会に出た方がいいと思って。お金を貯めるという理由もあったのですが、薬の勉強や、ドクターとのコミュニケーションをとる勉強にもなるかなと思って就職しました」

 

アスレティックトレーニングを学ぶために渡ったアメリカでは、サンディエゴ州立大学のアスレティックトレーニング学科で、アスレティックトレーナーを養成するプログラムに参加。インターンとして、大学内の運動部や、傘下の短大や高校に派遣され、アメリカンフットボールやラグビー、女子のバレーボールやバスケットボールなどの現場でアスレティックトレーナーとしての経験を積んだ。

 

セブンズとの出会い。そして、自ら勝ち取ったサクラセブンズ入り

 

セブンズとの出会いも、アメリカ時代にあった。

 

 

 「2008年のサンディエゴ招待大会で、知人の紹介で女子のカナダ代表と中国代表のサポートをさせていただいたのが出会いです。そのときに、女子もこんなに激しいスポーツをするんだ、と感銘を受けました。大学のインターンでもラグビーを担当したことをきっかけに、男子のセブンズアメリカ代表のオリンピックセンターでの合宿をサポートさせてもらったりしているうちにセブンズにのめり込んでいきました」

 

帰国後、整骨院で働く傍ら、専門学校の講師や中学、高校の新体操部のアスレティックトレーナーなどをしていたが、セブンズへの思いは持ちつづけていた。そんななかに舞い込んだのが、女子7人制日本代表のトレーナーの公募だった。

 

「女子セブンズのクラブチームを探して、お手伝いをさせていただいている中で、他のトレーナーから代表チームのトレーナーに空きが出たという情報をいただきました。それで私も挑戦しようということで応募しました」

 

自ら積極的に動くことで人脈を作り、機会を手に入れた。2013年の4月から女子7人制日本代表のトレーナーとして活動することとなった。

 

代表チームのトレーナーとして気をつけているのは、日々のセルフケアだという。

 

「代表チームで良いパフォーマンスを発揮するためには、所属チームでの活動や、日々のケアが非常に大事です。私がいないとケアできないということだけは避けたいので、選手にアドバイスしたり、チームミーティングで時間をもらって講習会を開いたりしています」

 

女子選手は、頭で理解して、自分にとって良いと思えばできる選手がほとんどだという。情報や選択肢を与えて、その効果を実感させれば自発的にできるようになる。

 

「“ここが固いです” という場合はこういうストレッチをした方が良いよ、とか、セルフ筋膜リリースのような形でポールやボールを使うと緩むから、そのあとでストレッチをすると伸びるでしょ、という感じで教えたりしています。選手によって理解度も違うので、それぞれに合わせて簡単に説明したり、細かいことまでわかった方がいいと感じる選手には、解剖学のところから話をしたり、いろいろアプローチを変えてやっています」

 

後編につづく

取材・文/尾田健太郎

プロフィール

写真 平井晴子
1981年大阪生まれ。立命館大学卒業後、製薬会社へ就職、その後アメリカ、サンディエゴ州立大学でアスレティックトレーニングを学ぶ。帰国後、整骨院や専門学校の講師などを経て、2013年4月から女子7人制日本代表チームのトレーナーとなる。サンディエゴ州立大学で学んだPNFは、得意なアプローチとして今も活用している。
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