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連載:前田真也(鍼灸サロンカリスタ代表)の「できるスタッフ」の育て方講座

第4回 スタッフ向けマニュアルの種類(後編)
カテゴリ: 経営

トワテック リサーチ
 

 

前回に続き、今回も具体的なマニュアルの種類・内容についてご紹介していきます。今回はカリスタならではのマニュアルも多く、すべての鍼灸院様に導入できる内容ではないかもしれませんが、ご参考までにご覧ください。
 


10.クレジットカード端末使用方法
カリスタでは、お客様の決済手段としてクレジットカード決済を導入しています。そのため、そのカード端末の使い方についてのマニュアルがあります。

 

11.施術メニューマニュアル
カリスタでは、施術のコースが10種類以上あります。カッピングや塩灸、マッサージなどを組み合わせることでより効果的な施術を行うためです。もちろん、施術はお客様ひとりひとりに合ったものを提供しますし、施術者によって統一するということはできません。しかしながら、仰向けとうつ伏せの施術や、お顔への鍼とお身体への鍼の順番などは定義できますので、そういった内容をエクセルの表にして、おおよその時間目安などを定義しています。
 
 

 


 

12.カウンセリングマニュアル
カウンセリングは、施術の質を決める最も重要なパートといっても過言ではないと思います。カウンセリングの基本は「質問」です。新人であっても、「質問力」を向上させることで、より的確な施術ができるようになります。本コラムは「マニュアルの作り方を紹介する」ことが趣旨ですのでここでは割愛しますが、カウンセリングの手法を新人に伝えることは、院全体としての施術力をアップさせるためにも大変重要なことと思います。
カリスタの場合は、患者さんへの質問をとにかく具体的にリストアップし、各質問を「意図」とセットにして、新人スタッフに説明します。例えば、「今日はどうされましたか?」「その症状はいつからですか?」「それに対してどういう治療を受けましたか?」といった質問には、「症状と治療に対する真剣度を把握する」という意図があることを同時に伝えています。
症状についても、例えば「肩こり」ならそれが「腕の疲れ」からきているのか、それとも体質・体型なのか、「眼精疲労」や「心因性のストレス」、「背骨や関節の異常」、「女性特有の病気(PMS、子宮筋腫など)」、「冷えなど温度に関するもの」なのかなど、原因は様々です。そのため、それぞれの原因ごとに肩こりが発生するメカニズムをまとめておき、施術者が患者さんに適切に伝えられるように文書化されています。

 

13.アフターカウンセリングマニュアル
施術を終えた後のアフターカウンセリングも、施術前のカウンセリングと同じくらい重要です。鍼灸治療は継続的に受けて頂くことで、より質の高い施術ができ、効果及びその持続力を向上させることができます。そのためにも、施術後のアフターカウンセリングで患者さんに何をどのように伝えるかのノウハウは、非常に重要な意味を持ちます。
カリスタでは、アフターカウンセリング時に「トリートメントカード」をお客様にお渡ししています。トリートメントカードにはその患者さんの症状の原因や治療内容、セルフケアメンテナンスの方法などを記載し、それに基づいてアフターカウンセリングを行います。そのトリートメントカードの書き方が、本マニュアルの内容です。
 

 


 
14.新患さんに鍼灸を続けて頂くための説明マニュアル
カリスタでは、お客様に回数券のご提案を積極的に行っています。鍼灸は何度も受けて頂くことで、より良いお身体の状態を作れるためです。そして、体質・体調が改善され、ご来店当初のお悩みが解決あるいは軽減してきたらご来店頻度を減らしていき、最終的には美容院のように月1回定期的にお身体を鍼灸メンテナンスしていただくことで、お身体の楽な状態を維持できるような施術を行っております。そのため、回数券の期限や活用方法、キャンセル返金規定などをまとめたマニュアルを作成しています。

 

15.リスク管理マニュアル
鍼の抜き漏れ、お灸やもぐさがお客様の肌に触れてしまった際の対処方法などをまとめた文書です。
例えば鍼の抜き漏れ予防についてですが、カリスタでは施術に使う鍼の本数がコースごとに決まっています。そのため施術に使う鍼はスタッフルームから施術室に持っていき、使い終わったら同じ数だけスタッフルームに持ち帰ってきます。使い終わった鍼の数をカウントしてから廃棄ボックスに捨てますが、鍼数のカウントは施術者本人ではなく、必ず別の人に数えてもらうことになっています。このようなルールを定めることで鍼の抜き漏れを防止しています。本マニュアルにはそういった「リスク対策」及びリスクが発生した場合の「対応方法」が書かれています。
 


16.不妊症事前対応マニュアル
不妊症コースに関してのお問い合わせ時に、お客様に事前に確認しておくことがいくつかあります。当日のカウンセリングでも症状を具体的に伺いますが、電話でも最低限の必要事項を把握しておく必要があります。例えば基礎体温表を付けていれば、ご来店時にそれをご持参頂く。婦人科通院の有無をお聞きし、検査表やお身体の状態、ホルモン値がわかるものがあればそういったものも持参頂く。といった依頼するなどの内容がまとまっています。不妊症は美容鍼以上に繊細であり、私たち自身も適切な対応を取らなくてはなりません。そのため、あえて1つのマニュアルとして独立しています。

 

17-18.防犯マニュアル・防災マニュアル
例えば、刃物をもった不審者が突然入店してきた。女性だけの職場ですので、刃物は持たなくても男性の不審者が入店してきた。もしくは、施術中に大地震が起きた。といった時に、まず初めにどういう行動を取るべきかなどをまとめたものが、防災マニュアル・防犯マニュアルです。特に「地震対策」。地震は本当にいつどのように発生してもおかしくありません。地震が発生した時に、ベッドの下に入るべきなのか、すぐに着替えるべきなのか。避難経路は? お客様を誘導する人は? 靴はどうする? 荷物はどうする? スタッフ同士の連携は? などがしっかりと決められており、スタッフの頭のなかに入っている状態を作っておかないと、いざという時とっさに適切な判断はできません。あのディズニーでも、社員教育で最も重要なこととして教えらえられるのが「安全最優先」であるという話しは有名だと思います。
 

 


 

カリスタで運用している具体的なマニュアルの紹介は以上です。実はあらためて社内を見渡すと、ここに紹介したマニュアル以外のものもたくさん存在していました。スタッフ同士が「これはマニュアルにしたほうがいいな」「これは紙にまとめたほうが共有が楽だ」といった判断を自分たちでするようになり、自然発生的にマニュアルが増えていっています。新人にとっては覚えるものが増えていく一方ですが、どれも必要性があって増えているため、いずれにせよマニュアルを覚える必要はあるのです。無闇に増やしすぎてもよくありませんので、そのマニュアルを採用するかどうかの判断をしていく必要はありますが、スタッフのなかでマニュアルに対する意識が醸成されてくること自体はとても良いことだと思います。

次回は、マニュアルの作り方について解説したいと思います。
 

プロフィール

写真 前田 真也
カリスタ株式会社 代表取締役。大学卒業後、経営コンサルティング会社(上海支社)、広告代理店(サイバーエージェント)、PR会社などを経て、2010年4月に女性限定美容鍼サロンCALISTAを開業。「鍼灸ファンを増やす」を企業スローガンに、2012年7月に鍼灸院口コミサイト「しんきゅうコンパス」を立ち上げ。
写真 しんきゅうコンパス
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