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連載:野田先生の物理療法セミナー

第1回 物理療法の目的と効果、超音波について
カテゴリ: コラム

トワテック リサーチ

物理療法の目的と効果


今回から5回に分けて物理療法についてのコラムをご紹介させて頂きたいと思います。物理療法は、使用するエネルギーの特性とリスクを理解し、目的とする受容器に的確に刺激を加えれば誰もが再現性のある効果を出すことが出来ます。今回は、物理療法の中でも超音波療法についてご紹介させて頂きたいと思います。
 

使用している超音波治療器は「イトー US-710」

(医療機器認証番号21700BZZ00205000)

超音波療法は、振動板とよばれる金属の先端にクリスタルの粒子が埋め込まれており、その粒子が高速で細かく変形することで組織を震わせ、組織の振動により発生した熱で体の深部を加温する治療法です。

超音波療法は、体内に振動と温熱を加えることで、皮下組織に分布するパチニ小体(振動受容器)やルフィニ小体(温熱受容器)、関節包や靭帯に分布するパチニ小体(振動受容器)やルフィニ小体(温熱受容器)を賦活し、組織の血流の改善や治癒の促進、柔軟性の改善を行います。特に、深部のルフィニ小体は組織温度が38℃~42℃に上昇しないと賦活しないため、ホットパックのような表在の温熱では賦活せず、超音波療法のような深部への加温が必要となります。

超音波は通常、振動板が1秒間に100万回振動する1MHzと、1秒間に300万回振動する3MHzの2つの周波数帯が使われます。1MHzは約5cmの皮下組織への深部加温効果があり、3MHzは約2~3cmの皮下組織への深部加温効果があるといわれています。

超音波療法で期待できる治療効果は、連続モード(Duty 100%)で高出力(1.5w/c㎡~2.0w/c㎡)使用することにより、組織のマイクロマッサージ効果と組織温度上昇による温熱効果、温熱での神経伝達変化による多少の疼痛抑制効果が期待できます。また、パルスモード(Duty10%~20%)で低出力(0.1w/c㎡~0.2w/c㎡)で使用することにより、非温熱による炎症の緩和と治癒の促進、細胞内カルシウムの増加による骨折後の骨癒合の促進効果が期待できます。

超音波療法の禁忌事項としては、以下のような症状・部位があげられます。
 

 

超音波療法は、パチニ小体(振動受容器)、ルフィニ小体(温熱受容器)の2つの受容器を同時に賦活させた方が治療効果が高いため、患者様が温熱感を感じるように振動板を出来るだけゆっくり動かすことがキーポイントとなります。振動版を動かす範囲は、振動板の2倍の面積までで、4~5cm/秒のスピードで動かすのが理想と言われています。

その際、音波痛といわれる痛みと熱感が出ないように十分注意して下さい。音波痛と深部の火傷が超音波療法の最大のリスクで、特に関節周囲への超音波療法は音波痛が出やすくなっています。超音波の治療効果を最大限出すためには温熱感を出すことが必要ですが、同時に音波痛・火傷のリスクも高まりますので、患者様にこまめに確認しながら痛み・熱感が出た際にはすぐに中止するか出力を下げてください。

特に、瘢痕組織の大きい関節、脊椎の問題による末梢神経障害、糖尿病による末梢神経障害等は、温感が減弱している場合が多いため注意をしてください。物理療法において最大限の効果を求めることも必要ですが、同時にリスクを最小限にすることも必要です。

先生方の日々の診療の参考になれば幸いです。
 


下高井戸ヒーリングプラザ整骨院・鍼灸院    野田 重信
 

プロフィール

写真 野田重信
鍼灸師、下高井戸ヒーリングプラザ整骨院・鍼灸院 院長。1974年福岡県生まれ。平成8年に福岡大学卒業、平成12年に早稲田医療専門学校卒業。高見DC,ATCに師事し、カイロプラクティック・スポーツ医学を中心に治療のベースを学ぶ。その間、一般の患者様の治療をしながら小学生~プロのアスリートまで様々なレベルのスポーツ障害、外傷の治療に携わる。平成23年下高井戸ヒーリングプラザ整骨院・鍼灸院を開院。現在、伊藤超短波主催のセミナー講師を務める。
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