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連載:実例で学ぶ、鍼灸院・接骨院・整体院で知っておきたいクレーム対応

第1回 お灸のやけどで訴訟問題に! 治療家なら知っておきたいトラブル事例とは?
カテゴリ: 経営

トワテック リサーチ

今回から「知っておきたいクレーム対応」と題し、6回にわたり連載することになりました。

クレーム(施術事故)は体験して学ぶものではありませんので、万が一の際に今回のコラムが少しでもお役に立てれば幸いです。

1回目は、症状が同じでも治療経過や利用者の要望によってクレーム後の展開が異なることを、熱傷を例に挙げてお話しします。
 

※本コラム執筆を手掛けている一般社団法人日本治療協会(JHA)様についての詳細、資料請求はこちらから

 

 

熱傷とその応急処置

 

 

人間の皮膚は45℃以上の温度で熱傷になります。45℃の場合は1時間、70℃の場合は1秒で組織の崩壊が始まります。お灸などが原因のケースでは深達性のものが多く、見た目よりも症状が重いと診断されることが多いのが特徴です。

もし、施術後に熱傷(疑いを含む)が発覚したらすぐに冷却しましょう。
推奨方法は流水です。店舗内で流水が利用しにくい場合は、氷や保冷剤を濡れタオルで包んで患部を冷やし、すみやかに皮膚科への通院をお願いしましょう。


患部に軟膏などを塗る店舗もあるようですが、利用者が皮膚科に通院した際に医師から「不適切な行為」と指摘されるケースもありますのでお勧めしません。

症状が軽度でも利用者にお時間を頂けるのであれば5分以上冷やすことをお勧めします。利用者が皮膚科への通院に消極的な場合も、水ぶくれができたら破れないようにすること、水ぶくれが破れてしまったら早めに通院していただくこと、治療費は後日清算することは必ずお伝えしましょう。

 

 

すべては瘢痕に対する考え方で決まる

 

熱傷は深さによってⅠ度~Ⅲ度に分類されますが、Ⅱ度までの熱傷は1~3ヶ月程度で完治します。
多くのケースでは、この時点で治療費程度を清算し終了となります。ただ、利用者が熱傷後瘢痕(色素沈着を含む)を気にされる場合は、更なる展開への対応が必要です。


展開は何通りもありますが、今回は代表的な3つを挙げてみます。
 


●元通りになるまで治したい
瘢痕治療と称して医師が処方した薬や化粧品を利用しながら、皮膚の再生を待つこととなり長期間の対応を要します。瘢痕治療としてレーザー治療を検討されるケースは多いものの、リスクを伴う治療法であることから実施される方は少ないようです。

●とにかくさわぐ
当初は穏やかに「やけどなんて自然に治るから」と言っていた方が、ある日突然「瘢痕が消えなかった!」と騒ぎ始めます。この騒ぐエネルギーは瘢痕治療には向かわず、「お金で解決するしかない」という思考に至ります。なかには「弁護士に相談したら30万円請求できると言われた」と調停に持ち込む方もいますが、多くの場合、利用者請求額の半額も認められません。

●植皮(皮膚移植)

ホットパック・電療器・灸頭鍼が原因である熱傷はお灸と比べ患部が大きく、植皮(皮膚移植)が行われるケースがあります。利用者からの慰謝料請求が100万円を超えることもあり、適切に対応していかなければ訴訟問題に発展する恐れがあります。

 

施術事故・クレーム対応において、全ての展開を予想し完璧な対策をとることは困難です。
目の前の課題をひとつずつ解決していくのが定石で、そのためにやるべきこと、やってはいけないことを「クレームの初期対応」として次回詳しくご説明します。

 

 

 

※本コラム執筆を手掛けている一般社団法人日本治療協会(JHA)様についての詳細、資料請求はこちらから

 

 

プロフィール

写真 一般社団法人 日本治療協会
1998年設立。2006年の法人化を経て。20,000人を超える会員とともに現在に至る。国家資格者・民間施術家を問わず利用できる会員保障制度(賠償責任保険適応)を提供し、毎年200件を超えるクレーム対応相談に対して、経験に基づいた立場からのアドバイスを行っている。
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