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第1回 リラクゼーションサロン系FCオーナーは儲かるのか?
カテゴリ: 経営

トワテック リサーチ

専門学校を卒業して10年。街の接骨院で修行を積みながら開業資金も貯めた。そろそろ俺も独立しようかな──。

 

 

そんなことを考えながらぼんやりネットを眺めていたらリラクゼーション系のフランチャイズ(以下FC)加盟者募集のサイトを発見。見込み月商は350万円。全国的な知名度もありそうだ。これならゼロから開業するよりも成功率が高いのでは? そんなユーザーからの相談が編集部に寄せられた。なるほど、なるほど。全国区のFC本部に加盟すれば開業時の苦労も軽減、収入も安定しそうだ。そこでFC業界紙『フランジャ』等で執筆活動も展開している経営コンサルタントの西野公晴氏にリラクゼーション系FCの歴史と現実を聞いてみた。

 

ライバルは多いが参入障壁は低い!

 

 

 

 FCに詳しいコンサルタントの西野さんは「リラクゼーションサロンという業態に対する顧客浸透率が高まっているので安定した経営がのぞめます」と話す。

 

 「FCとは本部が直営店を通じて完成させた、検証済みの経営ノウハウをパッケージとして販売するビジネスモデルです。加盟希望者は加盟金・ロイヤルティーを本部に払い、本部は経営ノウハウの提供をはじめとしたサービスを加盟者に提供します。本部が直営店を通じて完成させたノウハウを買えるということは、(個人が)ゼロから開業するよりも失敗するリスクは軽減されます。また(本部の適切なサポートを受けることができるので)素早く立ち上げることができます。そういう意味でFC独立というビジネスはノウハウと時間を買うビジネスモデルだと言えます」

 

 

一般的に知られるFC店が日本に登場したのは昭和38年だといわれている。この年、ぺコちゃんでお馴染みの「不二家」と「ダスキン愛の店」がFC形態のビジネスモデルとしてスタート。昭和44年に「ケンタッキー・フライド・チキン」「マクドナルド」「ミスター・ドーナツ」などのファーストフード系FCが、昭和48~49年にかけて「ファミリーマート」「ローソン」「セブン─イレブン」等のコンビニエンストアのFC展開がはじまった。その後FCの波はあらゆる領域におよび、現在もさまざまな業態のFC本部がしのぎを削っている。それでは手技療法との関係深いリラクゼーションサロン系のFC本部は、いつ頃日本に登場したのだろう?

 

 

 

「日本のリラクゼーションサロン市場が急拡大したのは90年代の後半です。この時期にチェーン系リラクゼーションサロンのビッグ3と呼称される『英国式リフレクソロジー・クイーンズウェイ』『ラフィネ』『てもみん』が登場して、従来のマッサージ店のイメージとは一線をかくす戦略で急成長をとげました。この急成長を支えたのはWindows XPのリリースに伴うパソコンの普及です。職場や家庭にパソコンが普及したことで肩こり・目の疲れを訴えること人が急増。気軽に利用できるマッサージ店に対するニーズが高まった結果、90年代後半から00年代にかけて『てもみん』をはじめとしたコンビニ感覚で利用できるリラクゼーションサロンの数が急拡大していきました。このチェーン系リラクゼーションサロンの成功を受けて誕生したのが『relax』等のFC系リラクゼーションサロンです」

 

 

 

高瀬氏も執筆に参加しているFC経営のトラの巻『よくわかる! フランチャイズ入門』は同友館より絶賛発売中!

その後もリラクゼーション系FC店は癒しブームの追い風を受けて全国に店舗数を拡大。FC本部の企業努力と消費者のニーズを両輪に、00年代後半まで急成長を続けた。この勢いは10年代以降に落ち着いてきたものの、今なおマッサージ業界全体の市場規模は2400~2500億円以上と言われている。

「これは00年代までのような急成長を見込める数字ではありませんが、ゆるやかに適用成長を続けている数字と言えます。店舗数が増加しているのでライバルは多い状況ですが、その反面リラクゼーションサロンという業態に対する顧客浸透率が高まっているので安定した経営がのぞめます。また、ここ数年の動きとしては訪問型マッサージの登場をあげることができます。こちらは急速に拡大しているシルバービジネスから派生した業態ということもあって、全国的に店舗数を増やしています」

 

FC加入で成功のキモは初期投資の回収期間

 

それではリラクゼーション系FCに加盟するのには、どの程度の資金が必要なのだろう?そして初期投資した資金を回収するには、どのくらいの期間がかかるのだろうか?

「リラクゼーションサロン系のFCは月商400万円モデルと月商200万円モデルに大別されます。月間400万円モデルであれば運転資金込で2000万円。月商200万円モデルであれば1000万円程度の初期投資が必要です。1000万円を下回ると、好条件の立地と広いスペースが必要な店舗型リラクゼーションサロンへのFC加入は難しくなります。それ以下の投資額でFC独立を検討するなら、家賃等の固定費を抑えられる訪問型マッサージビジネスを視野にいれたほうがいいかもしれません。初期投資の回収期間に関しては、加盟者(オーナー)の収入をどこに設定するかで変わってきます。加盟者の収入を0とすれば、利益を全額初期投資の回収にあてることができるので期間は短くなります。反対にオーナーの収入を高く設定すると回収に必要な期間は長くなります。」

 

 

仮に1000万円の投資額を契約期間5年で回収するには(税金の支払いは除く)、月々17万円程度の利益を投資額の回収にあてることになる。月間売上200万、固定費が120万円とすると利益は80万円。ここから初期投資の回収分17万円をマイナスした金額63万円が、計算上、加盟者(オーナー)がMAXで得られる収入になる。ということは年収約750万円。この金額を高いとみるか、安いとみるか……。ちなみに40代後半のサラリーマン男性の平均年収は632万円、40代前半の男性サラリーマンの年収は577万円である。

 

 

次回はFC加盟の流れ、その注意点を通して優良FC本部の見分け方を徹底解説! 

プロフィール

写真 西野公晴
1960年三重県伊勢市生まれ。東京学芸大学教育学部卒。マーケティングリサーチ会社を経て、アール・アンド・シーを設立。商業施設の立地診断・出店契約策定、売上予測モデルの構築指導、FC事業コンサルティング、街づくり診断などの分野で活躍。
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