トワテック メディカルレポート

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vol.040不眠症の原因とは? ~5つのP~(後編)

前編では、不眠症の原因の分類として、「5つのP」というカテゴリー分類があることをご紹介いたしました。
覚えておくと患者様の問診時や会話において、役立つことがあると思いますので、後編ではそれぞれの「P」についてもう少し詳しくご説明しようと思います。

「5つのP」のそれぞれについては、どのようなものなのでしょうか?

身体的原因Physical

身体的原因は、身体に出てしまう症状により、不眠となってしまう場合を指します。
何か疾患があり、呼吸困難になったり、痛みのために眠れないなどは、患者様から伺う機会が多いかと思います。
詳細は次の通りです。
眠ろうと横になると、頚部が気になって眠れない、という人や腰痛のために寝つけない、四十肩・五十肩の急性期に強い肩の痛みのために眠れない、喘息の発作が出るという場合も少なくないと思います。
他には、心疾患、呼吸器系の疾患、消化器系の疾患・むずむず脚症候群、内分泌疾患、代謝疾患、睡眠時無呼吸症候群などがあります。

生理学的Physiologic

仕事の内容や海外へ行く場合に生じる時差ぼけ、眠る場所の変化など、生活のリズムや睡眠をとる環境が影響するものが生理学的原因とされています。
業務内容が変わり、日中の仕事から夜勤勤務に代わり、眠れなくなってしまった、また、交代制の勤務で睡眠時間が一定しない場合などにみられます。
海外旅行や出張での時差ぼけ、入院や職場に泊まりこみなど、睡眠環境が変化した場合にも生理学的原因による不眠が起こります。

心理学的Psychological

心理学的原因による不眠症は、経験をしたことのある人は多いのではないでしょうか。
日常でショックな出来事があったり、目を閉じても悩み事がぐるぐる頭の中をめぐったりして、睡眠が妨げられてしまうことがあります。
精神的なストレスが続いた場合に、ストレス内容を気にしていないつもりでも、眠れなくなってしまい、それが連日ともなると睡眠がとれないことについても気になり出して不眠の悪循環に陥る人もいます。

精神医学的Psychiatric

精神疾患により、不眠になる場合です。うつ病の人からは、朝早く目が覚めてしまうなど、不眠の症状を伺うことが多いかと思いますが、うつ病においては約90%に不眠がみられると言われています。
精神医学的原因に分類されるものには、神経症・統合失調症・アルツハイマー型認知症・パーキンソン病・脳血管障害などがあります。

薬理学的Pharmacological

飲酒や薬物が原因となる不眠症です。
コーヒーのカフェインで頭がスッキリとして、眠くならないという話はよく知られていますが、緊張をほぐし心地よくなるアルコールも不眠と関わりがあり、毎日の飲酒により深い眠りが減少してしまうことが懸念されます。
また、早朝に目が覚めたり、中途覚醒が引起されやすくなるとも言われています。
副腎皮質ホルモン薬や降圧薬など、薬の影響で不眠症になる場合もあります。

檜垣 暁子先生

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