トワテック メディカルレポート

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vol.0124リスフラン靭帯損傷

今回は見逃されやすい足部の外傷として、リスフラン靭帯損傷をテーマにしたいと思います。
リスフラン関節脱臼とは違いますので注意してください。

リスフラン関節とは、楔状骨・立方骨と中足骨との関節のことを言い、この部分に関連して付着している靭帯の損傷をリスフラン靭帯損傷といいます。
スポーツによる受傷は頻度的に少ないですが、その中でも主に球技系のスポーツ選手が受傷することが多く、足部前方が固定された状態での急な踏み込み等により、足部が回外方向にもっていかれリスフラン関節部分が離開し、靭帯の不a全もしくは完全断裂が起こります。

リスフラン関節の中でも、第一楔状骨と第二中足骨の離開が主です。
靭帯構造として、第一中足骨と第二中足骨間の靭帯結合はなく、第一楔状骨と第二中足骨を斜めの靭帯が結合しています。
損傷度合いによっては、自然に治癒する場合がありますが、第一楔状骨と第二中足骨の離開が残存すると、走ったりすることが困難になりスポーツ復帰などに重大な障害を残します。

症状として、足背部リスフラン関節部での第1・2中足骨間を中心とした腫脹と圧痛です。
圧痛に関しては第1・2中足骨基部に認めた場合には、足関節の捻挫と判断せずにリスフラン靭帯損傷を疑います。
また損傷度合いによっては、痛みのため前足での荷重歩行が困難となり、踵歩行となります。

画像診断として、X線では骨折がなく変化は少ないですが、その割に腫脹・疼痛が強いのが特徴です。
ポイントとして第一楔状骨と第二中足骨間の離開を見逃さないことが重要です。
健患と差を診た時に2mm以上であれば明らかにリスフラン靭帯断裂と考えます。
また、第一楔状骨と第2中足骨間に小さな骨片を認めることもあります。

治療は、第一楔状骨と第二中足骨基部間との離開の度合いや、症状により保存療法か手術療法を選択します。
保存療法に関しては、インソールを使った治療効果が早期のスポーツ復帰に貢献しています。

インソールによるアーチを保持することにより疼痛が軽減されるのが目的です。

北村 大也先生
整形外科医

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