トワテック メディカルレポート

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vol.0132外反母趾の治療

整形外科で意外とよく見かけるけれど、相談されない疾患に外反母趾があります。
ほとんどの方は軽度であまり痛みもないので、何と無く様子をみているということが多いようですが、適切な治療で進行を遅らせることも可能です。

外反母趾の症状は主に疼痛で、母趾MTP関節内側部、中足痛、母趾IP関節内側部、第2趾足背部、第5中足骨頭痛、TMT関節部などが生じます。
外反母趾の治療は保存療法が基本になります。
保存療法は靴の指導、運動療法、足底挿板などの矯正装具、痛みが強い場合は薬物療法を取り入れたりします。

その中でも靴の指導は最も重要です。
母趾MP関節内側部のバニオンを圧迫しないような靴を選びます。
かといって、緩い靴は靴の中で足が動くことにより圧迫刺激が繰り返されます。
MP関節以遠はゆとりがあるけれども、踵から中足部はきちんとホールドされているという靴を選ぶことが大事です。
また柔らかい素材、アーチサポート、中足骨パッドを併用し、痛みの緩和に努めます。
女性の方でヒールを履く場合は、しっかりと踵が安定したヒールを選ぶことにより、不必要に足が前方に移動して圧迫されることを防ぎます。

運動療法は内在筋のトレーニングが重要です。
母趾内転筋が拘縮して外転筋の筋力が低下しているため、その両方にアプローチします。
アプローチの仕方として、足関節軽度背屈で他動的に母趾に背屈と外転を加え内転筋をストレッチします。
また、母趾MP関節を伸展させながら内反させる運動を行い、外転筋を鍛えます。

靴の指導で刺激を減らせれば外反母趾の痛みを緩和することは可能です。
また軽度の外反母趾では、適切な靴の使用と運動療法により、変形の増悪を防ぐことも可能と言われています。

北村 大也先生
整形外科医

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