トワテック メディカルレポート

トワテック通販サイトで人気を博したトワテックメディカルレポートがアーカイブとして復刻。来院患者さまへより良質な施術を行いたいと考えていらっしゃる治療家の方に「施術に活かせるヒント」、「患者さまへお伝えすると喜ばれる健康情報」などが盛りだくさんです。

vol.0141隠されている本音に気づく!

今月のテーマは、「隠されている本音に気づく!」です。

我々治療師も高齢者施設で施術する機会が増えていますが、今回はある施設で「Aさん」という入居者さんと、当院のT先生(施術者)のエピソードをお伝えします。

Aさんは軽度の糖尿病を患っており、主食の制限がありました。
ご性格は、元々、社交的な方なのですが、レクリエーションやティータイムには居室に閉じこもったまま出てこられませんでした。
T先生は、Aさんが居室から出てこられない理由を本人に聞きました。
すると、「賑やかなんが、嫌いやねん。」とおっしゃられました。
T先生は、そういう気持ちになることもあるのかと思い、その場をやり過ごしたそうですが、普段よくお話をしてくださいますし、仲よくお話できる入居者の方も出来てきておられたので、「他に理由があるのでは」と思い、再度Aさんに理由を聞きました。
すると、「私は糖尿病があるから間食できひんねん。」「自分が糖尿病やと知られるのが恥ずかしいし、惨めやねん。」と重い口を開き、話してくださいました。
T先生はそれを聞き、すぐに管理栄養士と連絡をとり、事の経緯を説明すると、栄養士からは、「間食も含めてカロリー計算しているので間食は食べても大丈夫ですよ。」との事でした。
そしてT先生が、Aさんにその事を伝えると、Aさんは、次の日からティータイムに談話室へ出てきてくださるようになりました。
T先生は、「医療の現場でも、患者さんが本当に困っている事をお聞きすることで、治療のヒントが隠されていることがあると思いました。」と言っていました。

T先生が隠された本音に気づいたのは、なぜでしょうか?
それは、入居者のAさんのことを真剣に興味をもって見ていたからです。
患者様は、「自分の話を興味を持って聞いてくれ、理解しようとしてくれた先生につきます。」

隠された本音に気づくためには、その人のことを思って、興味をもって見聞きすることが大切であり、それが自然とできれば、患者様の信頼を深く得ることができるのです。

西川 和義先生
NPO全国鍼灸マッサージ師協会 兵庫支部副支部長

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