• インタビュー
  • 2021/05/14

23歳・若手柔整師のリアル。 ー整形外科or接骨院?ー

埼玉県の整形外科に勤務する舞草昴則先生は、独立開業の夢を抱いて日々奮闘する、23歳の若手柔整師。平日は運動器セラピストとして働きながら、土日には中学校のトレーナー活動、柔整師セミナー参加と、ほとんど休みもない状態。若さ漲る年齢とはいえ、健康を気遣い尋ねると、「休日に家でこもっているよりも、外で活動している方が僕には合っています。先輩柔整師の皆さんから学ぶ日々です」。屈託のない表情で語る舞草先生に、若手柔整師の〝リアル〟を訊きました。
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舞草 昴則柔道整復師
1997年7月11日生まれ。専門学校卒業後、柔道整復師免許を取得。整形外科に勤続3年目の今、より深く患者と向き合える環境を目指して、転職活動中(取材時)。将来の夢は地域に密着した接骨院を地元で開業すること。若者らしくSNSも積極活用する、自称〝平成最後の柔整師〟。


トワテック
多忙な日々を送られていると想像しますが、1日のスケジュールから聞かせてください。
舞草
現在の職場は月曜日から土曜日まで勤務しています。土曜日の午後と日曜日は休日。隔週で平日に1日、お休みをいただいています。6時に起床して職場に着くのが8時くらい。業務開始まで1時間近く時間がありますが、朝のミーティングの他に院長先生が同席するカンファレンスを行います。来院する患者さんの情報共有が中心です。

午前の診療は9時〜13時まで。2時間のお昼休みの間に、僕は院長先生の診察室で患者さんのレントゲンと睨めっこしています。外傷や骨折の経過を外と内の両面から観察できるので、とても勉強になるんです。外来患者のレントゲンを診ることができるのは、柔整師が整形外科で働くアドバンテージだと思いますね。午後の診療が15時から始まって、退社は19時ごろ。退社後は1~2時間、カフェで勉強することも多いです。

トワテック
柔整師が整形外科で働くメリットがある一方で、接骨院に魅力的を感じている点はありますか?
舞草
接骨院は患者さんが担当者に付く傾向が強いので、自身のリピート率で手技がどれだけ磨かれているか、期待に応えられているのか、実感しやすい面はあると思います。逆に整形外科は院長先生を信頼して訪れる患者さんが多い印象です。自分の評価を客観視しやすいのは接骨院だと思います。現在の職場は早くから患者さんに触らせてもらえたので、施術の経験を積める点はとても良かったです。治療院によっては半年〜1年の研修期間を設けていて、その間は患者さんに一切触ることができない、なんて話を聞いたことがありますので。

トワテック
柔整師になられて3年目ですが、ご自身の成長を感じられたエピソードはありますか?
舞草
軽い捻挫の患者さんに「絶対に治るから大丈夫」と伝えたことがあります。不安そうな患者さんを安心させるために自然と出た言葉でしたが、偶然それを聞いていた院長先生から「『絶対』という言葉は使ってはいけないよ」と指摘を受けました。捻挫とはいえ、絶対に完治する保証はないし、医療従事者として安易な言葉は使ってはいけないという意味です。

「10の痛みを0にしましょう」と伝えると、患者さんは0になるまで痛みと戦い続けなくてはいけません。「2〜3まで頑張っていきましょう」と伝えた方が、患者さんにとっては治療の過程でプラス思考が生まれやすい。技術面以外の大切さを、3年目にしてようやく考えられるようになりました。きっと、成長していると思います(笑)。

———順風満帆の印象が強い舞草先生だが、現・整形外科の退職が決定しているとか。
若手柔整師が抱える葛藤と独立開業の夢については次回、後編で!

(後編へ続く)

おまけ動画「舞草昴則に10の質問(前編)」

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取材
トワテック編集部(柔整チーム)
トワテックの柔整師・トレーナー担当部署。商品開発、通販サイトの運営、取材を主な業務としている。平均年齢は30代。

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