トワテック メディカルレポート

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vol.033NATA障害レポート2

前回から全米アスレティックトレーナーズ協会のジャーナルに掲載された全米の大学に於けるスポーツの種目別障害の頻度、部位、そしてその内訳を表で説明しています。
今回は16種目のスポーツを16年間にわたって調査した結果を3つの障害別に分けました。

この期間に2万7千件もの足関節捻挫が報告されています。
1年で約1700件に相当します。
実際はもっと多いでしょうが正式に報告されたものだけのデータですので御了承下さい。
足関節捻挫は女子のバレーボールと男女バスケットボールの障害の総数の四分の一を占め、特に男子のバスケットでは最も高い数値(率)が見られます。

この16年間で約5千件の前十字靱帯損傷が報告され、年間約313件となります。
最も多いのがやはりフットボール(秋)(秋に2159件、春に379件)ですが頻度は女子の体操が最も高い数値(率)を出しています。

9千件以上の脳震盪が報告され、年間約563件にもなります。
当然でしょうがタックルを受けるフットボール(秋と春の総数)がまたも一番多く、全体の半分以上を占めています。
特記すべきは障害率では女子のアイスホッケーが最も高く、1000の障害率で0.91という数字が報告されています。

スポーツの種目別障害と頻度について
※(足関節捻挫の頻度、 総障害数から見た足関節捻挫の障害率)、(前十字靱帯損傷の頻度、総障害数から見た前十字靱帯損傷の障害率)、(脳震盪の頻度、総障害数から見た脳震盪の障害率)の、順に並んでいます。

スポーツ種目

  • 男子野球(663件:7.9%)(56件:0.7%)(210件:2.5%)
  • 男子バスケット(3205件:26.6%)(167件:1.4%)(387件:3.2%)
  • 女子バスケット(2446件:24.0%)(498件:4.9%)(475件:4.7%)
  • 女子フィールドホッケー(327件:10.0%)(53件:1.6%)(129件:3.9%)
  • 男子フットボール(秋)(9929件:13.6%)(2159件:3.0%)(4404件:6.0%)
  • 女子体操(423件:15.4%)(134件:4.9%)(64件:2.3%)
  • 男子アイスホッケー(296件:4.5%)(78件:1.2%)(527件:7.9%)
  • 女子アイスホッケー(12件:2.8%)(3件:0.7%)(79件:18.3%)
  • 男子ラクロス(698件:14.4%)(131件:2.7%)(271件:5.6%)
  • 女子ラクロス(602件:17.7%)(145件:4.3%)(213件:6.3%)
  • 男子サッカー(2231件:17.2%)(168件:1.3%)(500件:3.9%)
  • 女子サッカー(1876件:16.7%)(411件:3.7%)(593件:5.3%)
  • 女子ソフトボール(526件:9.9%)(129件:2.4%)(228件:4.3%)
  • 女子バレーボール(1649件:23.8%)(142件:2.0%)(141件:2.0%)
  • 男子レスリング(715件:7.4%)(147件:1.5%)(317件:3.3%)
  • フットボール(春)(1519件:13.9%)(379件:3.5%)(612件:5.6%)

全体の合計(27117件:14.9%)(4800件:2.6%)(9150件:5.0%)
1988年から2004年までの16年間、全米に於ける16種目の大学でのスポーツ障害のデータの3回目(最後)

次回は試合と練習に於けるスポーツ障害の種目別リサーチです。

小松 武史先生

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