トワテック メディカルレポート

トワテック通販サイトで人気を博したトワテックメディカルレポートがアーカイブとして復刻。来院患者さまへより良質な施術を行いたいと考えていらっしゃる治療家の方に「施術に活かせるヒント」、「患者さまへお伝えすると喜ばれる健康情報」などが盛りだくさんです。

vol.035NATA障害レポート3

今回は1988年から2004年までの16年間、全米の大学に於ける16のスポーツ種目別での障害発生率を練習と試合で分けてのリサーチです。
全ての数字は選手を1000人として換算した%です。

試合中の障害率

  • 女子ソフトボール・・・4.30%
  • 女子バレーボール・・・4.60%
  • 男子バスケットボール・・・5.80%
  • 女子ラクロス・・・7.20%
  • 女子バスケットボール・・・7.70%
  • 女子フィールドホッケー・・・7.90%
  • 男子バスケットボール・・・9.90%
  • 男子ラクロス・・・12.60%
  • 女子アイスホッケー・・・12.60%
  • 女子体操・・・15.20%
  • 男子アイスホッケー・・・16.30%
  • 女子サッカー・・・16.40%
  • 男子サッカー・・・18.80%
  • 男子レスリング・・・26.40%
  • 男子フットボール・・・35.90%

練習中の障害率

  • 男子野球・・・1.90%
  • 男子アイスホッケー・・・2.00%
  • 女子アイスホッケー・・・2.50%
  • 女子ソフトボール・・・2.70%
  • 男子ラクロス・・・3.20%
  • 女子ラクロス・・・3.30%
  • 女子フィールドホッケー・・・3.70%
  • 男子フットボール(秋)・・・3.80%
  • 女子バスケットボール・・・4.00%
  • 女子バレーボール・・・4.10%
  • 男子バスケットボール・・・4.30%
  • 男子サッカー・・・4.30%
  • 女子サッカー・・・5.20%
  • 男子レスリング・・・5.70%
  • 女子体操・・・6.10%
  • 男子フットボール(春)・・・9.60%

結論

上記の表を見てわかる様にコンタクト(接触)スポーツであるフットボール、男子アイスホッケー、男子ラクロス、男子レスリングでは当然の事ながら練習と試合とでは怪我の率が違っています。
例えばアイスホッケーは鋭いスケート靴やスティック、ハイスピードのパックが飛び交う中のスポーツですが練習は試合の8分の1の障害率です。
一方、接触しないスポーツ、例えばバレーボール、野球、ソフトボール等は練習と試合との障害率にさほど変化はありません。
又、コンタクトスポーツでない女子体操と女子サッカーは(練習と試合の両方とも)かなり高い率で怪我が生じています。
まだまだ障害予防の余地がある事も認めなくてはなりません。

いつも言う様に予防はトレーナーの最優先事項です。
事故が起こってから動くのではなくおこらない様にあらかじめ動く様(予見する様)にしたいものです。

自分のチームと比較してどうですか?
これらはあくまでも米国に於けるデータの一つですが参考になれば幸いです。

参考:Journal of Athletic Training 2007;42(2):311-319 by the National Athletic Trainers’Association, Inc.

小松 武史先生

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