トワテック メディカルレポート

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vol.0118ガングリオン ganglion

日常診療上遭遇することの多い軟部腫瘤といえば、ガングリオンです。

関節包や腱鞘から発生する原因不明の嚢腫で特に女性に多く出現します。
嚢腫とは、分泌物が貯留し嚢胞状を呈する腫瘍を指し、ガングリオ ンは内部にムコ多糖類を含む粘液状物質を貯留するとされています。

実は原因は良く分かっていません。
また良性疾患であり、自覚症状以外に大きい問題となることはほとんどありません。

良く発生する部位は手関節背側や手掌側、指屈側などです。
圧痛や運動痛あるいは不快感を感じることもあり、また発生した場所によっては、圧迫による神経症状を呈することもあります。
原因の分からない手関節痛や肩関節痛の原因となっていることもありますが、関節近傍や関節内の場合、触診では分かりません。
また、小さい場合は症状がないので気付かないことも多々あります。

腫瘤の大きさは、手関節では1~2cmであり、手指では5mm以下の小さいものが多いです。
発生部位と特徴的所見から診断は比較的容易です。

診断の際、まず症状の部位や大きさ堅さ可動性、疼痛の有無を問診や触診で観察します。
部位としては手関節背屈・橈側手根屈筋腱付近・MP関節掌側の順に多いです。
皮膚との癒着がない境界明瞭な弾性軟から、やや硬の腫瘤が関節近傍に発生しますが、長い茎をもって関節から離れた部位や多房性のもの、深部に発生するものといった診断が難しいものも中にはあります。

画像診断では、単純X線で特徴的な病的所見はなく、ガングリオンに関しては超音波エコーが有用です。
関節付近に発生する悪性腫瘍など、小さい場合は触診上、ガングリオンとの鑑別はかなり難しいので、必要に応じてMRIなどの精査も有用です。

確定診断は穿刺であり、ゼリー状内容物が確認できます。
治療に関しては、まず診断に疑問がなければ経過観察がほとんどです。
他に穿刺法や圧砕法、手術などがありますが、ガングリオンは取り除いても再発する確率が低くないことや、自然治癒することもあるため、基本保存療法が原則です。

しかし、痛みが強い場合や再発を繰り返す場合、美容的に問題があり摘出を希望する場合、神経圧迫症状がある場合などは手術療法を選択します。
しかし、手術を行っても再発することもあるので、術前にしっかりとしたインフォームドコンセントを行う必要があります。

北村 大也先生
整形外科医

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