トワテック メディカルレポート

トワテック通販サイトで人気を博したトワテックメディカルレポートがアーカイブとして復刻。来院患者さまへより良質な施術を行いたいと考えていらっしゃる治療家の方に「施術に活かせるヒント」、「患者さまへお伝えすると喜ばれる健康情報」などが盛りだくさんです。

vol.0128股関節の痛み

股関節疾患の患者さんの多くは骨盤から下肢の痛みを主訴として来院します。
また、股関節周囲の痛みを訴えていても他の部位の疾患が原因の場合もあり、股関節が痛いと言って受診することは少なかったりします。

そこで股関節に問題があるかどうかを見極めるための重要なポイントが3つあります。

  • 股関節の歩行時・荷重時痛があるかどうか
  • 股関節に他動時痛があるかどうか
  • 股関節部位を中心としたが圧痛ある
  • これらが当てはまる場合は股関節疾患を疑います。

次に数ある股関節疾患の中からどの疾患なのかを鑑別しなければいけません。
その為には年齢・性別・既往歴・生活歴・受傷機転の有無・痛みの種類・自発痛や夜間痛があるかどうかなどを聞きだす問診が重要になってきます。
特徴的なものをいくつかあげます。

変形性股関節炎

女性に多く起床後しばらく不調。動き出すとよくなるが、長く歩くとまた痛みがでる。二次性の股関節症の原因となる疾患のため、先天性股関節脱臼・Perthes病・大腿骨頭すべり症・外傷などの既往の有無を聞くことが必要。

大腿骨頭壊死

中年以降の男性でアルコールの愛飲歴・ステロイド治療歴があるかもどうかも重要なポイントです。

単純性股関節炎

3-7歳の男児に多く、一過性で自然に痛みがひく。
1週間以内に上気道炎にかかったかどうかもポイントになります。

大腿骨頭すべり症

10-14歳の肥満傾向の男児に多い。膝が痛いと言って受診することも多い。開排制限・破行・トレンデレンブルグ徴候などがみられることもある。

Perthes病

小児期の男児に多く、多くは片側性。膝が痛いと言って受診することも多い。開排制限・破行・トレンデレンブルグ徴候などがみられることもある。

他にもありますが、こういった股関節疾患をふまえた上で、問診を行い診察を進めていくことが重要です。

北村 大也先生
整形外科医

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