トワテック メディカルレポート

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vol.0136五十肩について

今回は五十肩をテーマにしたいと思います。

「肩が挙がらない」、「手が後ろに回らない」といった症状を呈し、中年以降の方に発症することが多いです。
しかし、よく言う五十肩の病態自体、実はいまだに明らかではなく、明確な病態を付けることができない症候群として定義されています。

正式には肩関節周囲炎と言い、肩関節に起こる様々な周囲の炎症のことを総称して肩関節周囲炎いわゆる五十肩(凍結肩 Frozen shoulder)としています。
40代から60代になる人が多く、70%は女性におこります。
さらに、約10%の人が両方の肩に発症し、糖尿病があると40%の確率で両方の肩に発症すると言われています。

症状は肩関節の疼痛や可動域制限が主で、病期として3つに分類されること多いです。

急性期
炎症の強い時期。
明らかな誘因がないことが多く、動作時痛・安静時痛・夜間痛があり、疼痛のため肩の動きは著しく制限され動かさなくなります。
慢性期
炎症は鎮静化傾向。
急性期後肩関節の組織が固くなり、肩の可動域が狭くなっていきます。
また疼痛のため動かさなかったことにより、可動域が低下し拘縮を来します。
回復期
関節の拘縮が徐々に改善され日常生活動作が徐々にスムーズにできる時期です。

このように時期によって症状は様々であり、その時にあったリハビリを行う必要があります。

回復に関しては症状により個人差がありますが、急性期の強い痛みは1~2週間程度で少しずつ回復します。
その後、痛みをカバーした動きや肩関節周囲の組織の固さにより、肩の可動域が低下していく慢性期では、可動域を目的とした体操などが必要なっていきます。

治るまでに1年以上かかることもあり早めの治療が必要です。
また日常生活、肩はなるべく冷やさないように、夏はクーラーなど直接当たらないようにし、冬はホッカイロやタオルなどで保温に努めること。
肩の使い方など、自分で出来る日常生活でのセルフケアも大事なリハビリの一つです。

北村 大也先生
整形外科医

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