vol.0158第5回「エステと鍼灸治療の融合の必要性」
今月のテーマは、エステと鍼灸治療の融合の必要性。
ここまで4回にわたりエステと鍼灸それぞれの特徴等を書いてきましたが、今回は融合について詳しく書いていこうと思います。
「エステと鍼灸治療の融合」と一言でいっても、私たち鍼灸師は内面と外面の両方からの施術による美容を考えていますが、一般のお客様は鍼灸院で行われている美容鍼が、内面の治療（未病）を含めた施術だという認識が、実はあまりないようです。
各種メディアにより「治療しながら美しくなる…」と情報は流れているようですが以前より私が言い続けている、最も定着する可能性があり金銭的にも余裕のある美意識の高い美魔女たちは、治療しながら行う美容術というものに対してあまり理解出来ていないようです。
なぜなら今までエステサロンでは、美容に関して内面からのアプローチは、積極的に行ってこなかったからです。
ほとんどのサロンで行ってきたアプローチは、栄養補助食品の案内と販売くらいなものです。
内面からのアプローチを必要とせず、いかに外面のみで美しくするかが、エステの唯一出来るアプローチ方法です。（法律に抵触しないように。）
後は、運動や睡眠、食事アドバイスやホームケアーの重要性の説明くらいです。
エステに精通しているお客様ほど、エステティシャンの技術と色々な美容器や化粧品の併用で、美しさを維持してきたし満足していただいてきたのです。
美容鍼を定着させるためには、エステサロンと美容鍼灸院との差別化が必要です。
既存の鍼灸院に、美容器を導入し女性鍼灸師をエステ講習に数日通わせたり、前職で数年エステ経験のあるエステティシャンを雇い入れ、女性鍼灸師とペアで施術させても、暫くするといつの間にか来院しなくなります。
なぜなら彼女たちはメディアの情報が大好きで常に新しい美容法や美容器を探し求めているからです。
エステ以外では様々な薬や外科的手術、注射で即効性のある新しい美容法などを次々に知り、Googleで検索して予約を取っては暫く通います。
美魔女たちは、エステや美容外科などをさまよい歩き、ある意味楽しんでいます。
人間の皮膚の構造や性質は当然ながら常に変化などは無く、皮膚を美しく保つ為に必要な成分や条件は、現在の皮膚科学で解明されており、その情報を元に次つぎに新しい美容法が世の中に出てきます。
東洋医学の生理学的見地は古来より変わりなく、私の今までの美容家としての経験から言うと最も理にかなっており効果も期待できると同時に事故の危険性も極めて少ないと思います。
本来人間そのものが持っている防衛能力や修復力を利用し、いかに生まれたての赤ちゃんの状態を、内面も外面も維持するかが究極の美容です。
東洋医学の考えだけでは説明もつかず、時間的に対応できない事もどうしてもあります。
2015年現在の皮膚科学、西洋医学的見地、中国3000年の鍼灸学を含めた全ての知識と、経験を融合させ本当に安全で効果のある美容術を追求し広めていく時代に入っていくと思います。
その美容術を正しく確実に広めていく為に、現在の美容鍼灸家は今までの常識に囚われることなく「美容と鍼灸治療の融合」についてシンプルに向き合い努力をおしまず学習し、必要と思われる要素を積極的に受け入れていく姿勢が大切だと思います。
30年間エステに携わり一番必要だと感じるのは、本当に治したいと想う心と、手から伝わるエネルギー（真心）の施術が、被施術者に感じていただいて、癒しながら効果をだすこと。
昔懐かしい、頭やお腹を撫でてもらった手の感触を思い出していただくこと。
スタッフの指導の時によく話します。
自分の指先（指腹）にその人を感じ取れる眼をもち、肌の奥の筋、骨、血液、リンパの流れを想像し、指で被施術者の脈を感じながらマッサージしてほしいと。
被施術者を心で感じることが重要であり、何よりも心と心が大切なことだと思います。
こうした事を賛同していただける鍼灸師と共に現実化していく事で、エステ鍼灸が広く深く世間に浸透し一過性の流行としてでは無い美容法として認められる事に、情熱を注ぎたいと思います。
- 島田 ゆかり先生
- YSI株式会社 代表取締役
NPO法人全国鍼灸マッサージ協会会員
一般社団法人日本エステティック協会認定
永久認定トータルエステティックアドバイザー
CODES-JAPANソシオエステティシャン
CIDESCO認定インターナショナルエステティシャン
日本エステティック業協会認定講師インターナショナルエステティシャン
CPE認定電気脱毛士
元池坊短期大学非常勤講師
YSI株式会社 代表取締役
トータルエステ鍼灸院 4店舗経営
