一般的な四角型箱灸に多く寄せられた「角と身体が接触して痛い」という声から生まれた筒型タイプの箱灸。『鍼灸屋月日』の藤田先生も鍼灸師の立場から、従来の大きめの箱灸に使い勝手の面で効率の悪さを感じる部分があったそうです。実際に『まる型箱灸』を使用した際の従来商品との違いとお客様の反応について、お話を伺いました。

出張の施術ではこの形状、このサイズがベスト。必要な機能はすべて揃っています

以前はくるみ灸や大きめの箱型灸を使用していましたが、出張鍼灸の場面では準備や扱いに難しいところがあり、効率的とは言えませんでした。その点、まる型箱灸なら鍼とも併用できますし、何よりサイズ感が丁度良く、お客様からも大変好評です。また、へそに温灸をしながら天枢や中?に置鍼する際は他の箱灸だと大きすぎて難しいけど、まる型箱灸なら大丈夫。

主に目とへその温灸に使用していますが、とりわけ眼精疲労からくる目のかすみや痛みを訴えている方、胃腸が弱く、下腹部に冷えを感じている方には効果的です。お客様の職業に多いのはクリエイターの方々。目の酷使で血行不良が進行し、目に痛みを感じている方は特に効果を実感されているようです。鍼灸治療って、わかりやすく効果を感じられるかどうかが大事だと思うんです。目の温灸は大変喜ばれますし、オプションで選んでいただくお客様も多いですね。へそ灸は陽虚体質のお客様がメインです。気虚や胃陽虚と診断した方。多忙からくる慢性的な肉体疲労や精神面での不眠症、腹部の冷えから下痢の症状が続くといった重たい症状にはへそ灸として使用しています。

お灸の煙については、出張先のご自宅では気にされないお客様が多い印象です。むしろ本格的な施術空間を希望され、香りをアロマとして楽しまれています。レンタルサロンでは敬遠されがちですが、個人宅ではエンターテインメント的な要素からも喜ばれているのではないでしょうか。

あと、まる型箱灸の素晴らしさって実用品としての完成度とは別にビジュアル面にもあると思うんです。お客様が初めて目にして「これなんだろう?」って気持ちになる。リラックスを求められて治療を受けられるのですから、好奇心を生み出す遊び心って大事なのかな、と思います。温灸の箱には銅製のものもありますが、まる型箱灸は木製ですから直に置いても肌を焼く心配もありません。底には火種や灰の落下防止用の金網が設置されていて、安全性能も高いと感じました。必要な機能はすべて揃っていますね。