トワテック メディカルレポート

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vol.071日米教育相違点から見る実技の必要性について part.1

来月から大学院での授業が始まる。
授業と言っても教える方なので生徒と違ってパワーポイント作成や資料集め等、かなり前から準備を始めなくてはならない。
教えるのは教えるなりに大変な事であるのをつくづく感じている。

僕が教えているのはサンタモニカにあるエンペラー大学院博士課程の生徒15人だ。
彼らは全て大学院を卒業して、国家試験に合格し鍼灸師免許(漢方薬剤師も兼ねる)取得後、東洋医学博士になる為に入学してくる。
免許取り立てで博士号に来る生徒もいるし、長年の臨床経験を持って大学院に復帰して来る生徒も多くいる。

僕はかつて同じ大学院で“スポーツ医学と鍼灸”と称してアスリートに特化した即効性の治療やテーピング、スポーツ障害論等を教えていた。
もちろんここ数年は博士号で教鞭をとっているので大学院生も含め博士課程にいる彼らの知識や技術を理解しているつもりだ。

はっきり言って学生レベルの違いはあまりない。もちろん個人的には千差万別はあるが基本的な教育レベルの違いはない。
米国は殆ど100%に近いぐらい中医学を教える。日本のような授業ではなく、証をたてて診る。
いわゆる弁証論治だ。脈診が主に使われるが、腹診や顔診もなくはない。
ただ脈診と舌診をしっかり理解していないと免許試験には受からない。
僕も試験の際は全て暗記した事を覚えている。

結論から言うと大きな違いは米国(カリフォルニア州)では大学院生の時に970時間のインターンシップ(患者さんを治療する実技)が必要となる事である。
最初は上級生や教授の治療の見学から始まり、実際の治療方針を立てたり、ツボを選んだり、そして一般の患者さんの治療をする迄、インターンシップは幅広い経験である。

このインターンシップ制度が卒業後の鍼灸師を大きく変えるものである。

小松 武史先生

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