• インタビュー
  • 2021/05/14

柔整師×企業内整体 ー年収ランキング最下位からの逆襲ー

全国のセラピストと企業を結ぶ、健康プラットフォームの構築を目指して設立された株式会社Eight Lab。一昨年に事業を立ち上げ、セラピストの登録者数は300人以上、登録企業は大企業を含めて100社に迫るという。共同代表を務める高山耕輔氏は「起業から1年半ですが、予想を上回るスピードで成長を続けています。社会の需要にセラピストの登録者が追いついていない状況です」と、その手応えを語る。目覚しい成長を続ける「Care for」の基本的なシステムや運営上の戦略、さらには高山代表が思い描く、ヘルスケア業界の未来について、お話を伺いました。
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高山 耕輔株式会社Eight Lab代表取締役
1986年2月16日生まれ。専門学校卒業後、地元福岡の整骨院に就職。24歳の若さでグループ院の院長を務めた後、独立の目標を掲げて上京。柔道整復師の資格を保有する傍ら、経営者の素質を開花させ、「Eight Lab」設立に至る。ヘルスケア業界の未来を担う、注目の若手経営者。


トワテック
「Care for」(株式会社Eight Lab)の具体的なサービス内容について教えてください。
高山
全国のセラピストの方々(柔道整復師、鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師、理学療法士等)に「Care for」に登録していただき、弊社が契約している企業に出張施術をおこなっていただくサービスを展開しています。登録企業数は100社ほど。全体の2割が大企業で残りは中小企業です。セラピストの登録料は無料ですが、面接後に行う研修費用として3万円を頂いています。施術知識とスキルの水準を担保する意味合いから、国家資格者が登録条件です。
トワテック
高山さんが「企業内整体」に着目した、きっかけを教えてください。
高山
二十代の頃は地元・福岡の整骨院に勤務していました。当時は、数ある店舗の中からお客様に選んでいただくハードルをとても高く感じていて。その一方で、お客様からは「仕事が忙しくて来院できない」「職務中に痛みがひどい」という声を数多く聞きました。この経験を糧に「企業内部の整体なら需要があるのでは?」と考えたのです。本業(出張整体)に併せて試行した結果、かなりの需要を見込めたので、事業として本格的にスタートさせました。

トワテック
昨今、社会全体に見られる健康意識の高まりも、事業をプラスに働かせている?
高山
2015年頃から「健康経営」の機運が高まりはじめた印象です。企業側の社員の健康への投資が、トレンドとして認知されているのではないでしょうか。だからこそ、僕らセラピストの知識とスキルで、プレゼンティズム(出勤しているものの、心身の健康上の問題から生産性が低下している状態)の改善のお手伝いができると考えます。実際に「Care for」を活用している企業様からは「社員の士気があがった」とのお声を多数頂戴しています。
トワテック
高山さんはセラピスト業界に、どんな未来を思い描いていますか。
高山
某大手転職サイトが発表した2020年の職種別年収ランキングで、柔道整復師、鍼灸師、マッサージ師が最下位だったんです。非常に歯がゆい思いで眺めつつも、僕が勤務していた頃を思い返すと、至極もっともなデータかなと。業界の底上げをしなければ、この世界を目指す人も減ってしまいます。「Care for」が治療業界の新しいプラットフォームとして確立されることで、この世界に生きる人々の可能性はより広がっていくと、僕は信じています。

(後編へ続く)

おまけ動画「高山耕輔に10の質問(前編)」

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取材
トワテック編集部(柔整チーム)
トワテックの柔整師・トレーナー担当部署。商品開発、通販サイトの運営、取材を主な業務としている。平均年齢は30代。

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