• インタビュー
  • 2021/06/11

開業のプロが提言 ーあなたのことは誰も知りませんよー

「開業すれば、患者さんが増えて儲かる時代は終わりました」——そう語るのは〝整骨院開業サポート〟の立場から、15年間で500人以上の柔道整復師と接してきた山崎紀之氏。柔整師、施術所の増加傾向が進み、ライバルの他職種も台頭を見せる中、新規開業で失敗しないためには、いったい何が求められるのか。数多くの成功者を生み出してきた山崎氏に、自身が手掛ける「整骨院開業プロジェクト」の事業内容、開業後の成否を分けるポイントについて、お話を伺いました。
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山崎 紀之
株式会社リードメディカル代表 リハビリ機器販売・整骨院開業サポート
1974年4月22日生まれ。医療機器メーカーに10年、同ディーラーに3年、営業畑一筋に歩む。柔道整復師、医療関係者と交流を持つ中で柔整業界の移り変わりを痛感。「整骨院開業プロジェクト」を事業として立ち上げ、新規開業を目指す柔整師に向けて、コンセプト作り、事業計画作成、医療機器導入などのサービスを展開。「整骨院の新規開業で失敗しない7つのステップ」を上梓。

  • 【山崎さんへの開業のご相談はこちらから】
    080-6519-8797
  • 【開業時に絶対にしてはいけない事(外部サイト)】
    https://seikotsu-kaigyou.com/lp/



トワテック
開業を決意した先生に、あえて厳しい言葉を投げかけるケースもあると聞きましたが、新規開業者が陥り易い罠、失敗しないためのコツについて教えてください。

山崎
「もっと患者さんが来ると思っていました。どうしたらいいですか?」——これは開業直後によく聞かれるフレーズです。治療家として素晴らしい腕を持っているが故に、過去の実績やプライドから黙っていても患者さんはやって来ると考えてしまう。いやいや、この地域であなたのことは誰も知りませんよ、と。意識を変えていただく必要はあると思います。開業前には「簡単に患者さんが集まると思わないで」とお伝えすることもあります。

行動力は開業の成否に大きく影響しますが、ひとりで全てをこなそうとする姿勢もまた考えものです。僕が医療機器メーカーにいた頃、部屋の内装をご自身で手掛けている先生に出会いました。HP作成、チラシ作りまでこなされて本当に凄いのですが、本音を言えば日中は商店街の挨拶回り等、治療院を売り込む時間に使ってほしかった。細々とした作業はサポート業者に任せて、お金を生み出す時間帯を有効活用していただきたいですね。


トワテック
山崎さんが、絶対に避けてほしい!と考える開業パターンがあると聞きましたが——。

山崎
開業にあたって最も危うく感じられるのが〝投資を渋る〟ケースです。内装料金や医療機器の値下げ交渉にたいへん熱心な方がいらっしゃいます。初期投資を抑える意味で、その行為は間違いではありませんが、コストカットに重点を置いて開業が軌道に乗った先生を僕は知りません。費用面を気に掛けすぎると開業そのものが目的化してしまう印象を受けます。本当のゴールは地域に長年愛される治療院を作り上げていくことのはず。初期投資を怠って開業した場合、呼び込みなどの緊急的な課題にも手を打ちづらくなってしまいます。先行きを見据えて〝適切な投資をしましょう〟ということを伝えたいです。


トワテック
接骨院を導いていく存在として、山崎さんの将来的な夢を聞かせてください。

山崎
少し先の話になると思いますが、僕は接骨院の先生と一緒に何かをやっていきたいと考えているんです。長引くコロナの影響で、経営に苦しんでいる治療院は少なくありません。そのためにも接骨院を建てて、先生方が働ける空間を作りたいですね。患者さんが減ってきたら「うちに来てください」と声を掛けて、気軽に働いてもらえる。そうした関係を築くことができたら、お互いに素晴らしいじゃないですか。僕が思い描く夢です。

おまけ動画「山崎紀之に10の質問(後編)」

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取材
トワテック編集部(柔整チーム)
トワテックの柔整師・トレーナー担当部署。商品開発、通販サイトの運営、取材を主な業務としている。平均年齢は30代。

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